小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「はい、お疲れ様ー!」
そろそろお腹がすき始めた頃、後半のシフト組が戻ってきた。
「交代だよー」
キュッとしっかりエプロンを着た接客組が裏から出てくる。
「はーい、あとお願い!」
「よろしくね」
悠陽ちゃんと私は、次の子と頑張ってというメッセージを乗せてハイタッチをし、交代する。
「ふぅー、終わったね」
「うん、お疲れ悠陽ちゃん」
「茉莉も」
エプロンを外して、いつもの制服スタイルに戻る。
人でいっぱいだった教室とは違って、控え室は涼しい。
「よし、あとは他のクラスまわって楽しむよー!」
悠陽ちゃんの気合いは十分。
夏休みのお祭りに行けなかった分、今日は楽しむんだとか。
「茉莉、付き合ってよ!」と言われ、私は大きく頷いた。
「ねぇ、俺も一緒に入れてくれんない?」
私たちにそう声をかけてきたのは、大和くんだ。
「え、大和。あーもしかして一緒にまわってくれる友達がいないって?うわー可哀想」
「なんだよ、宮野。やんのかー?」
何故か大和くんには、やたらとつっかかっていく悠陽ちゃんだから、こんなふうにふたりの間に軽く火花が散ることもチラホラ。