小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「もう、やめてよ!悠陽ちゃんも、大和くんも!」



喧嘩だけは……!と私はふたりの間に入って、全力で止める。



そこまでしたところで、何故か私はふたりに大笑いされる。



「あははっ、茉莉ってからかいがいあるわ」



「なっ……」



「いや、本当。茉莉ちゃん、最高」



「や、大和くんまで」



これは悠陽ちゃんの悪い癖。



すーぐ私をからかってくるところ。



最近は、大和くんも加わってきて、普段は優しい大和くんだからこそ、絡んでくると余計に信じてしまうんだ。



「もう、本当に心配して止めたのに!」



「いやいや、大和とは本気で喧嘩はしないから」



「そうそう。宮野の喧嘩しても時間の無駄だし?」



「大和のそういうとこ、やだわ」



そんなことを言い合いながら笑い合うふたり。



何だかんだ仲良しなふたりで、そんなふたりに元気をもらっているから怒るにも怒れない。



「もう、行こ!」



せめてもの反撃!とふたりを置いて先に行こうとしたけれど、それは逆効果で「茉莉が怒った〜」とまたからかわれた。



そんなふたりの姿を見て、頬を膨らませると、「ごめん」と謝ってきてくれたから、許してあげることにした。



ただ、その謝罪も笑いながらだったけど。


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