小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「ごめん、茉莉ちゃん、宮野。さっきまで一緒に居たのにすぐ助けに来れなくて」
「本当、頼りになんないよね。大和」
「そこは、嫌でもありがとうだろうよ」
悠陽ちゃんの照れ隠しのような返しに、大和くんはため息を付きながら苦笑い。
「ありがとね」
私は、やっとその言葉を口にすることが出来た。
大和くんにだけだけど。
「それより、アイツ。何考えてんだよ。ちょっとごめん、玲央のこと追っかけてくるわ」
「あー、玲央くんね。ガツンと喝いれてやってよ」
「あぁ」
ただ私は、ふたりのやり取りを聞いているだけで、悠陽ちゃんの言葉に頷いた大和くんは、結城くんが消えていった人混みの方へと行ってしまった。