小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「ねぇ、喝ってどういうこと?」
「え?喝?そりゃ、気合いを入れ直させることよ」
「いや、意味を聞いてるんじゃなくて……」
きっと悠陽ちゃんはわかってて、はぐらかしていると思うけど。
「ちょっとここ騒がしいから移動しよ」
そう言われて、クラスの教室が立ち並ぶ場所から、静かな方へと移動した。
人が少なくなると、悠陽ちゃんは立ち止まって壁に寄りかかる。
「……」
「あのさ、」
少し間を置いて、悠陽ちゃんが口を開く。
悠陽ちゃんからは、緊張のオーラが漂っていて、何となく私にも伝わってくる。
それをキャッチした私は、つられて緊張してしまう。
「……なに?」
「正直に答えてね?」
あまりにも真面目に言うものだから、ほとんど出ない唾を飲み込んで頷いた。
「さっき玲央くんに、俺の茉莉って言われてどう思った?」
「えっ」