小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「知ってる?茉莉ったら、夏休み明けてからずっと、玲央くんのこと目で追ってるんだよ?」
悠陽ちゃんに言われて、振り返る。
確かにそうだったなーなんて。
登校してきた結城くんを見つけて……
昼休みに教室を出ていく結城くんの背中を見つめて……
放課後すぐにいなくなってしまう結城くんの姿を探して……
中庭にいるんじゃないかと期待して。
学校祭の準備の期間だって、何度見たかわからない。
あんなに嫌だった授業中のちょっかいも、パタリとなくなってどこか寂しい気持ちになっている自分がいた。
「茉莉は玲央くんのこと、どう思ってるの?」
私は……
心のどこかではね、思ってたんだ。
でも、今更認められない自分がいた。
「私は、たぶん結城くんのことが好き」
どうしようもなく、キミが。
あの日中庭でキミの素顔を知って、口止めとか言って無理矢理付き合うことになって。
いつもいつも意地悪ばかりで、私に嫌がらせする小悪魔なキミ。
でも、いざという時には助けに来てくれて、優しく抱きしめてくれるキミ。
目をつぶると浮かび上がるのはキミの顔。
どうしようもなく、キミのことが好きです。