小悪魔なキミに恋しちゃいました。
僕の世界を素直に"綺麗"だと言ってくれるキミに、綺麗な世界を見つけてあげることが出来ない。
だって、僕は……綺麗な世界から色を失うんだから。
白黒の世界の何をキミに綺麗だと伝えればいいんだろう。
僕がからかって、頬を赤らめるキミが好きだった。
そよ風になびく、綺麗な栗色の髪が好きだった。
空を見上げて、綺麗だと笑うキミが好きだった。
「……そうだよ」
力なくそう呟いた僕に、大和は勢いよく立ち上がる。
「お前はそれで終わらせんのかよ!」
腕を顔の上で組んで、暗闇の中に沈む俺に、大和は声を張り上げた。
「大和にはわかんないだろうね」
「あぁ、わかんないよ。死ぬわけでもないのにすべて諦めているようなお前の気持ちなんてな!」