小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「玲央にはさ、茉莉ちゃんが必要なんだ。アイツ、あんなヤツでいろいろとにかく不器用で……でも、それでも玲央は茉莉ちゃんのこと大切にしてたよ。今までの玲央を見てきて、そう思った」



「……うん」



大和くんの思いは、とても真っ直ぐで。



「お願い、茉莉ちゃん。玲央を不安の中から救ってやって」



結城くんを助けてあげて欲しい。



俺の力だけじゃダメなんだと、悔しそうに言う大和くんは、きっと私なら出来ると優しい眼差しを向けていた。



そんなの、答えはもう決まってる。



もう私は気づいちゃったんだもん。



こんなにもキミのことが好きだって。



だから、病気なんて……



結城くんの世界から色がなくなるなんて、そんなの。



そんなことで、私の気持ちなんか変わらない。



だからって嫌いになんてならないよ。



私はきっと僕のことが嫌いだからって?



勝手に決めないで。



好きなの。



こんなにもいつの間にか……



大っ嫌いだったキミのことを。



小悪魔なキミが好きなってたんだよ。


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