小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「よし、戻るよ。どうせあのお人好しの大和が心配して待ってるんでしょ」
「あ、そうだ……」
あんなに必死だったんだから、大和くん、心配してるに決まってるよね。
悠陽ちゃんも、心配してるに違いない。
「あー心配して損した」
「……えっ、ええ!?」
校舎の影から出てきたのは大和くんで、その後には悠陽ちゃんがいて。
「うるさい」
当たり前のように答える玲央くんは、大和くんたちに気づいていたんだろうか。
「よかったね、茉莉」
「うん、ありがとう悠陽ちゃん」
私の背中を押してくれた悠陽ちゃんに、1番にお礼を伝えたかったから、よかった。
いつの間にか花火は終わっていて、校庭の方では声がざわつき始める。
この後は、楽しかった余韻に包まれながら、帰るんだろう。
「それにしても玲央って、見かけによらず責めるよね。俺達がいるの知っててキスなんて」
「……そ、そうなの!?」
「悪い?」
わ、悪いも何も……
恥ずかしすぎる!
赤面する私の顔は、きっと暗闇でバレていないはず。