小悪魔なキミに恋しちゃいました。
あぁ、どうしよう……
認めてなんかいないけれど、もし結城くんの彼女になった事がファンの子たちにバレたものなら、私はもう命がないも同然だ。
「あの、結城くん」
「なに?」
「嘘、だよね?」
「何言ってるの?本当だよ。キミが誰にも言わないように見てないとね」
そんな……
どうやら私はこれから逃れることはできないよう。
「それなら、せめて一つだけ約束して」
「内容によるけど」
まだ、私は死にたくない。
「私が結城くんの彼女になったことは誰にも言わないで」
これは私の命がかかってる。
私の人生がかかってる。
どうせ王子様の気まぐれで、きっといつか飽きるだろうと、諦めた私のたった一つのお願い。
「ふーん、交換条件ね。いいよ、黙っててあげる。その代わり、毎日放課後はここに来ること」
あぁ言えばこう、こう言えばあぁ……
本当に嫌になる、この王子様気取り。
私は召使じゃない!
しかし、弱みを握られている私は「はい」としか答えることが出来なかった。