小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「じゃあ、また明日」
「……わっ!?」
まるでペットのように頭をぐしゃぐしゃと撫でられる私。
そのおかげで、髪はボサボサだ。
「ちょっと、」
「……待ってるから」
「……っ」
ぺたりと芝の上に座り込む私をのぞき込むようにしゃがみこんだ結城くんとばっちり目が合う。
大嫌い、だけどかっこいいことに変わらない結城くんの整った顔。
目のやり場がなく、思わず目が泳いでしまう。
「キミ、バカだけど、かわいいと思うよ。じゃあね」
私の前髪をサッと上にあげて、あらわになったおでこに短いキスを落としていった結城くん。
私が放心状態になっている事を知ってか知らずか、私一人残して行ってしまった。
ちょっと……今の何?
頭を撫でて、おでこにキス。
おまけに、かわいいって……。
いやいや、アイツがそんなことする訳……
ないと思う反面、表向きは王子様で誰にでも出来るだろうと想像がついてしまった。
ふん、どうせ王子の気まぐれだよ。
いちいち間に受けてたら、キリがない。
もう帰ろう。
ゆっくり立ち上がり、夕日に背を向けて帰路についた。