小悪魔なキミに恋しちゃいました。
ほとんどの生徒が登校し、会話が飛び交いザワつく校内。
私たちはいつものように、教室へ向かい席についた。
まだホームルームまで時間があり、カバンを置いた悠陽ちゃんが私の元へとやってきた。
「今日、英語の小テストだよね…もう本当に嫌になるわ」
「……ん?」
なんか今、聞き捨てならないワードが……
「茉莉、まさかあんた」
「小テストなんかあったっけ……」
「はぁ」
案の定、悠陽ちゃんに深いため息をつかれてしまった。
「どうせ寝てたか、ぼーっとしてたんでしょ」と悠陽ちゃんにはお見通しだ。
せっかく1つ嫌なことを忘れようとしてたのに、一難去ってまた一難。
小テストのことで頭がいっぱいになってしまった。
どうやらテスト範囲は昨日までやっていた物語に出てきた英単語らしい。
数学よりは出来る教科ではあるけれど、決して得意ではない英語。
結果は目に見えているようなもの。
しかも1限目からというものだから、テンションも上がらない。
「はぁ」
次にため息をつくことになったのは私だった。