小悪魔なキミに恋しちゃいました。
もしかして、バレてる?
せっかく見つからないように、足音も立てずに神経を集中させてきたって言うのに、その努力は全て水の泡。
「あの、いつから……」
「キミがここに来た時からずっと」
……そんな。
最初からバレていたとなれば、必死に隠れようとしていた私がバカバカしくて恥ずかしい。
そんな気持ちが湧き上がり、身体中が暑く火照ってくる。
「いつまでそこにいるの?こっちに来たら?須藤さん」
ドキッ……
朝もそうだけど、結城くんに名前を呼ばれると、なんだか不思議な気持ちになって、胸が変に音を立てる。
一体これは何なのだろうか。
「ねぇ、聞こえないの?」
「あ、いや、ごめんなさいっ」
これ以上、待たせると怒りかねないと判断した私は、ゆっくりと結城くんに近づいていく。
顔をこちらに向けない結城くんとは目は合わないけれど、近くで見る横顔は、やっぱりとても綺麗だった。