小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「上から見下ろされんの、嫌なんだけど」
「あっ……」
いつからか、ずっと結城くんの事を見つめてしまっていた自分に気づいて、急いで顔を背ける。
……は、恥ずかしい。
それに私、なんで大嫌いなこいつに見とれてしまったんだろう。
「座れば」
そう結城くんに促されて、少し離れた木の下に腰を下ろす。
そよ風が木の葉を揺らし、その隙間から零れる木漏れ日が心地よい。
これは、毎日通いたくなる気持ちがわかる。
きっと結城くんが居なければ、毎日好んでここに通っていたかもしれない。
「あのさ、なんでそんなに遠いの?」
「え、あのー、迷惑かと思って」
所詮はクラスメイト。
それに、私がそんなに近づきたくないって言うのが一番の理由。
「迷惑?彼女が隣に来て迷惑だって思う彼氏がどこにいる訳?」
「か、彼女っ!?」
「僕の告白を忘れたとは言わせないよ」
こ、こく、告白っ……
昨日の事が鮮明に蘇ってきて、せっかく落ち着いていた体温もまた急上昇する。
流石は王子と呼ばれる男。
恥ずかしいことをサラリと言葉にしてしまうことに驚いた。