小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「あの貼り付けたような笑顔も王子様気取りのあの態度も気持ち悪い。大嫌いっ」
窓側の席に座る結城くんを鋭く睨む。
「あー、今のは学校の女子全員を敵に回したよ?」
「いいよ。私は大好きな悠陽ちゃんが居れば、それでいいの」
私の顔を覗き込みながら、意地悪そうな顔でそう言う悠陽ちゃんに、素直な気持ちを打ち明ける。
私には悠陽ちゃんさえいれば、それでいい。
それだけ、親友の悠陽ちゃんは私にとって大きな存在で、大好きな人だから。
ニコッと微笑むと、悠陽ちゃんは顔を真っ赤にして私に抱きついた。
「きゃっ……ちょっと悠陽ちゃんっ!?」
間に机を挟んだまま、ぎゅっと抱きしめられる。
「苦しいってばっ!」
軽くトンと押すと、「ごめん、ごめん」と解放してくれる。
「茉莉が嬉しいこと言ってくれるから、つい……ね?本当に可愛いんだから」
そう言われると反応に困る。
お世辞だってことはわかっているんだけど、可愛いと言われて嫌な気はしない。
「あ、今、お世辞だって思ってるでしょ?」
「え……なんでわかるの?」
「顔にそう書いてあるんだから。それに、お世辞じゃなくて、茉莉は本当に可愛いんだからね?自覚しなさいよ?」