小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「あ、あの、結城くんっ!」
「何?」
いてもたってもいられず、話をそらす。
「その、昨日もだけど……ここで何してるんですか?」
昨日も今日も、寝転がって空を見上げていた。
「何って、空見てただけだけど」
そう言って結城くんは、さっきと同じように指で枠を作って、空を映す。
その枠からは何が見えるんだろう。
結城くんはどんな世界を見ているんだろう。
「キミもやって見れば?」
そう言われ、頷いた私は、同じように空に向けて指で枠を作った。
「……綺麗」
それは、思わず出てしまった言葉だった。
小さな枠の中に映る、赤く染まりかかった空。
その空に浮かぶふわふわとした雲。
そして、覗き込む木の葉。
キミの見ていた世界は、想像以上に綺麗な世界だった。