小悪魔なキミに恋しちゃいました。
キミとの恋愛契約
私が放課後中庭に通うようになり、1週間が過ぎた。
今はまだ、悠陽ちゃんには「先生に呼び出しされた」「用事がある」「おつかいを頼まれてて……」と何かと理由をつけて、何とか誤魔化せている。
これも時間の問題だろうなと、ココ最近は感じている。
ただでさえ、私のことはお見通しの悠陽ちゃん。
何も言っては来ないけれど、きっと私が嘘ついていることは気づいているはず。
物事をはっきりと伝えるサバサバ系で、たまに毒舌な悠陽ちゃんだけど、とても優しくて、私が言い出すのを待っているはず。
私も親友の悠陽ちゃんには、隠し事はしたくない。
そんなもやもやを抱えながら、今日も放課後を迎えてしまった。
今日の天気は曇のち雨。
お母さんにも言われて、念の為に傘を持ってきている。
まだ雨は降ってはいないものの、雲は分厚くどんよりとしている。
「今日もいるのかな……」
こんな天気じゃ、いつも結城くんが見ている綺麗な空も見えない。
教室を見渡してみると、今日もまた既に結城くんの姿はなかった。
帰るの早すぎでしょ……
いるのかいないのかわからないまま、約束を放り出すことも出来ず、いつものように待ち合わせ場所である中庭へと向かった。