小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「……ゆ、結城くん」
「遅い」
「ごめんなさい」
結城くんはいつものようにそこにいた。
そして、いつものように空を見上げていた。
「今日は綺麗な空見えないのに…」
そんな結城くんの姿を見て私は呟いた。
しかし、結城くんの見ている世界は違った。
「青空は見えないけど、雲が見える。雲だって白ばかりじゃない。色がある。」
私にはよく分からなかったけれど、そんな結城くんの隣に腰を下ろした。
放課後一緒に過ごしている私と結城くん。
一緒にいるからと言って、特別話しているわけでもない。
ただこうして、並んで座ったり寝転んで静かな時を過ごす。
「あの、結城くん」
今日は、悠陽ちゃんについて相談するって決めていたんだ。
「何」
結城くんの返事は素っ気ない。
それもいつものことだ。
「この、放課後結城くんと会ってることなんだけど……」