小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「キミの家はどこ?」
「えっと……あっちです」
「そっ。あと、キミ勝手に離れていきそうだから手つなぐこと」
そう言って繋がれた私と結城くんの手。
「……っ」
結城くんの手は、大きい。
男の人の手ってこんなに大きいんだ。
そして、骨が出っ張ってゴツゴツしていて、男の子なんだと思い知らされる。
それがまた、うるさい鼓動をいっそう強くさせた。
「ねぇ」
手は相変わらず繋がれたまま、結城くんが口を開く。
「キミ、僕の彼女になってるってことわかってるよね?」
結城くんは不意にそんなことを言ってきた。
彼女と言われるのには、全く慣れない。
ましてや学校中の王子様。
私の大嫌いな王子様。
「はい、一応……」
「それならさ、もっと自覚持ってくれる?」
……自覚?
「付き合ってたらこうやって手もつなぐし、キスだってする」
「き、き、き……」
……キスっ!?
予想外のワードに、自分の頬が赤く染まるのがわかる。