小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「じゃあ、今日は帰るね。また明日」
結城くんが私から離れた瞬間、私は膝から崩れ落ちる。
足に、身体に……力が入らない。
びっくりした。
まさか、結城くんにキスされるなんて。
結城くんが離れて初めて、今まで私の身体は結城くんに支えられていたのだと気づく。
バカ、結城くんのバカ。
私のファーストキスだったのに。
恋愛をしたことがないながらも、恋愛小説とか少女漫画を読んで、ファーストキスは好きな人と……なんて密かな夢を描いていたのに。
そんな小さな夢は、儚く散っていった。
よりによって大嫌いな王子とだなんて。
バカ、バカバカバカ!!
私なんかより、結城くんの方がよっぽどバカだよ。
……最低。
それから、空が夕焼けに染まるまで。
私はその場から動けずにいた。
やっぱり、王子は大嫌いだ。