小悪魔なキミに恋しちゃいました。
第2章─王子様のキミは小悪魔でした。
キミの素顔
「おはよう」
「おはよう、茉莉」
生徒玄関でちょうど会った私たちは、そのまま一緒に教室へと向かった。
「そういえば、昨日どうだったの?」
「あ、えーっと……」
昨日、今までの事を悠陽ちゃんに打ち明けた。
だから、今日昨日の出来事を聞かれるだろうということは予想していたけれど、朝からその話題を振られるとは思っていなかった。
「怒られた?」
放課後会った結城くんは、何事も無かったかのようにいつも通りの態度だった。
しかし、それも束の間。
結城くんはやっぱり怒っていたのだ。
昨日のことを思い出しながら、悠陽ちゃんの問いかけに頷いて答えた。
悠陽ちゃんは「やっぱりね」と言った後、「玲央くんってどうな風に怒るんだろう」と頭を悩ませていた。
確かに王子様である結城くんしか知らない悠陽ちゃんには、想像出来ないかもしれない。
だって、クラスの中の結城くんは怒るようなキャラじゃないから。