小悪魔なキミに恋しちゃいました。


そんな私の考えていることが伝わってしまったのか、結城くんはまた違う笑みを浮かべた。



"意識しすぎ、ばーか"



「……っ!?」



な、何それっ。



不敵な笑みに警戒した矢先、口パクでそう言ってきた。



全て結城くんにお見通しなのがムカつく。



それに、こんなクラスのど真ん中で……



しかも、周りに王子様ファンがいるこの環境でそんなことをするなんて。



万が一、この関係がバレたらどうしてくれるの?



私は、ドキドキもすっかり忘れてキッと鋭く睨んだ。



結城くんは何でもないというふうに、そのまま女の子たちをつれて席へと向かっていった。



本当に、ムカつくムカつくムカつく!



大大大嫌い。



「ねぇ、茉莉?」



……そうだ。



悠陽ちゃんのこと忘れてた。



「……はい」



「意識しすぎって何のことかしら?」



「あぅ……」



この、何もかも結城くんのせいだ!



結局私は、何もかも打ち明けることになってしまった。


< 57 / 252 >

この作品をシェア

pagetop