小悪魔なキミに恋しちゃいました。
そんな私の考えていることが伝わってしまったのか、結城くんはまた違う笑みを浮かべた。
"意識しすぎ、ばーか"
「……っ!?」
な、何それっ。
不敵な笑みに警戒した矢先、口パクでそう言ってきた。
全て結城くんにお見通しなのがムカつく。
それに、こんなクラスのど真ん中で……
しかも、周りに王子様ファンがいるこの環境でそんなことをするなんて。
万が一、この関係がバレたらどうしてくれるの?
私は、ドキドキもすっかり忘れてキッと鋭く睨んだ。
結城くんは何でもないというふうに、そのまま女の子たちをつれて席へと向かっていった。
本当に、ムカつくムカつくムカつく!
大大大嫌い。
「ねぇ、茉莉?」
……そうだ。
悠陽ちゃんのこと忘れてた。
「……はい」
「意識しすぎって何のことかしら?」
「あぅ……」
この、何もかも結城くんのせいだ!
結局私は、何もかも打ち明けることになってしまった。