小悪魔なキミに恋しちゃいました。
気にしていた悠陽ちゃんの席はというと、私の隣の隣。
人ひとり挟んでしまうことになるけれど、前の席よりは格段に近くて、嬉しくなった。
すぐに授業が始まる時間が来てしまうため、悠陽ちゃんの席まで行って、この喜びを声に出して伝えることは出来なかったけど、悠陽ちゃんの方を見ると、ピースをしてこっちを向いていた。
私はそれに応えるように、笑顔でピースを返した。
それから、席も埋まっていき、私の前は大人しめの女の子。
斜め前は、学級委員長。
右隣、私と悠陽ちゃんの間はあの王子様こと結城くんの友達、藤堂大和くんだった。
「これからよろしくね、茉莉ちゃん。俺のことは大和って呼んで」
私の名前、覚えてくれてたんだ。
大和くんは、優しくてとても気が利く男の子。
よく困ってる人に声をかけて助けてあげる姿も見る。
ルックスもよくて、王子様と呼ばれる結城くんには負けるけれど、かなり人気者で告白されていることも多々……
「うん、よろしくね、大和くん」