小悪魔なキミに恋しちゃいました。


気にしていた悠陽ちゃんの席はというと、私の隣の隣。



人ひとり挟んでしまうことになるけれど、前の席よりは格段に近くて、嬉しくなった。



すぐに授業が始まる時間が来てしまうため、悠陽ちゃんの席まで行って、この喜びを声に出して伝えることは出来なかったけど、悠陽ちゃんの方を見ると、ピースをしてこっちを向いていた。



私はそれに応えるように、笑顔でピースを返した。



それから、席も埋まっていき、私の前は大人しめの女の子。



斜め前は、学級委員長。



右隣、私と悠陽ちゃんの間はあの王子様こと結城くんの友達、藤堂大和くんだった。



「これからよろしくね、茉莉ちゃん。俺のことは大和って呼んで」



私の名前、覚えてくれてたんだ。



大和くんは、優しくてとても気が利く男の子。



よく困ってる人に声をかけて助けてあげる姿も見る。



ルックスもよくて、王子様と呼ばれる結城くんには負けるけれど、かなり人気者で告白されていることも多々……



「うん、よろしくね、大和くん」


< 59 / 252 >

この作品をシェア

pagetop