小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「……いっ」
「茉莉ちゃん、どうかした?」
思わず痛くて声が出てしまい、運悪く大和くんに聞こえてしまった。
「な、何でもないよ!大丈夫!」
先生に聞こえないように小声で伝えた。
もう、結城くんのせいで……!
後ろをちらっと振り返ると、何でもないというふうに窓の外を見ていた結城くん。
その態度もまたイラッとする。
イライラとした気持ちを何とか隠しながら、また前を向く。
黒板にはわからない数式が並んでいる。
……難しすぎて、目が回りそう。
問題文と、意味不明の数式を見つめては、また眠気が襲う。
結城くんからの嫌がらせも落ち着き、また夢の中へと入っていく。
「……!」
それも束の間。
シャーペンであろうおしりの部分で、背中をつつかれた。
これは痛い。
ペン先じゃないのは、まだ救いだけれどこれはもういじめの域じゃ……