小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「そうだな〜、じゃあ須藤。この答えは?」
「……へっ?」
わ、私!?
成宮先生……私が数学苦手なことわかってるくせに。
「2n+5だ」
もうお手上げの私は素直に「わかりません」と答えようと思った矢先、後ろから聞こえたささやき声。
もしかして、答え?
一か八か、聞こえたその答えを繰り返して答えた。
「えっと……2n+5?です」
「おう、正解だ。目をつぶりながらでも話聞いてたんだな」
え、いや……
一言余計じゃありません?
って、私寝てたのバレてたんだ。
先生の一言でクラスはわっと笑い声で湧き上がり、恥ずかしくて赤面してしまった。
最悪……
俯いているとまた後ろから「寝てるキミが悪いんじゃない?」と追い打ちをかけられる。
仮にもさ、彼氏なら慰めてくれても良くないですか?
まぁ、大嫌いな王子を彼氏だとは認めていないけれど。
「こいつの事は気にしない方がいいよ」
結城くんの声も聞こえていたのか、大和くんがフォローしてくれる。
「ありがとう、大和くん」
私が大和くんにお礼を言うと、心なしか結城くんがそっぽを向いた気がした。