小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「……ん?」



肌に感じるバイブ音。



それは制服のポケットから。



音の主は、スマホからだった。



ポケットから取り出して、画面を開いてみると、そこにあったのは"結城玲央"の文字。



早速、結城くんからのLINEだ。



「なになに、旦那から?」



「だから、旦那とかじゃないからっ!!」



悠陽ちゃんの訳分からない言動に否定しつつ、無視するわけにもいかない結城くんからのLINEを開く。



んんっ!?



ちょっと、ありえない。



人がせっかく悠陽ちゃんとランチのひと時を過ごしてるというのに。



LINEの内容は"今すぐ北側の階段の下に来ること"というものだった。



北側の階段って……



そこはほとんど使われていない階段。



その下って、それこそ人気がないところ。



「ふーん、今すぐ来いってね。行っておいでよ」



「えー、いや……」



ただでさえ放課後に毎日会ってるのに、昼休みまで時間を取られるなんて、それは嫌だ。



でも、行かないとあとが怖い。


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