小悪魔なキミに恋しちゃいました。


だが、しかし。



「うわっ」



腕がいきなり離れたかと思えば、くるりと回転させられる私の身体。



結城くんと私が向かい合わせになる。



その瞬間、バンっと音がして、結城くんの腕により私の逃げ場がなくなった。



後ろは壁、横は結城くんの腕、前は結城くんの顔。



ど、どうしよう。



……ってどうにかなるの?これ。



誰か、助けて!



そんな願いも虚しく、結城くんは離してくれそうもない。



「僕さ、連絡したら返事返してねって言ったよね?」



「……はい」



「僕、今すぐに来てって言ったのに、ちょっと時間かかりすぎじゃない?」



……それは、行こうかどうか迷っていたからで。



「それに、僕の言うことは絶対。キミに拒否権ないんだから」



そうでした。



これは私と結城くんとの恋愛契約。



といっても、無理矢理させられたものだけど。



弱みを握られている私は、抵抗できない。


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