小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「最近、茉莉とダーリンどうなの?」
私たちのことを面白がっている悠陽ちゃんは、時折そんなことを聞いてくる。
「まず、ダーリンじゃないって」
「俺はお似合いだと思うけど?茉莉ちゃんとアイツ」
「ね、そうだよね!やっぱり気が合うわ、大和」
悠陽ちゃんと大和くんは、すっかり意気投合し"宮野"、"大和"と呼ぶような仲になっていた。
「もー、本当にそんなんじゃないから……」
「それじゃあダーリンが可哀想だわ。あんなにカッコイイ王子様なのに」
なっ……
「そ、そのワードは禁止っ!!」
万が一、バレてしまったら命がない。
結城くんと話すたび、会うたび……
結城くんくんについて話すたび、バレてしまわないかとドキドキヒヤヒヤしているというのに。
「大丈夫、大丈夫。みんな自分の話に夢中で聞いてなんかいないわよ」
「そうかもしれないけど……」
心配なものは心配なんだよ。
もう、人事だと思って。
「まぁ、そん時は助けてあげるから。なぁ、宮野」
「もちろん!私たちは茉莉の味方だからね」
「ありがとう」
……あぁ、なんて素敵な友達を持ったんだろう。
私は幸せ者だ。
ある彼氏を除いては。