小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「そんな私ごときで不機嫌になるなんて、ありえない」
「そう?あぁ見えて、茉莉ちゃんのこと溺愛してると思うけど」
「で、溺愛!?」
大和くんも悠陽ちゃんに似て、突然とんでもないことを言う。
しかも溺愛だなんて……
今まで結城くんと一緒にいる時間は、確かに増えているけれど、溺愛されてるなんて実感したことはない。
子犬みたいに甘える変な時はあったけど。
溺愛というよりは、意地悪だ。
「まぁ、そのうち治るだろうから気にしなくていいと思うよ」
そんなことを話しているうちに、時間はあっという間に過ぎ、結城くんがどこからか戻ってきたことで話は打ち切りになった。
「じゃあ茉莉、次の時間は数学だから頑張るのよ〜」
「え、嘘……」
「ホ、ン、ト」
悠陽ちゃんはニコニコとしながら、自分の席へと戻っていった。
「宮野もドSだね」
そうなんだよ、悠陽ちゃんはあの美人さとは裏腹に、とても毒舌なの。
大和くんも最近になって、気づいたようだった。