小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「おい、須藤ー」
「は、はいっ」
もしかして、寝そうだったのがバレた?
……でも、まだ寝てないからセーフだよね?
ひとりで焦っていると、先生から出た言葉は予想外のもの。
「最近お前、頑張ってるよな」
「え?まぁ、はい」
まさか成宮先生が私のことを褒めるなんて思わないから、思わず気が抜けてしまう。
「んじゃあ、今度のテストは楽しみだなぁ?
須藤に手伝いが頼めなくなるのは寂しいが、頑張れよ」
……えっと?
なんか、サラリと大事な事言ったよね?
「テスト……て、テスト!?」
「ん?須藤忘れてたのか?この範囲ぜーんぶ出るからなお前ら〜」
バンっと黒板を軽く叩き、テスト範囲を示す先生。
その量はなかなかのもので、クラスメイトからはブーイングの嵐。
成宮先生はというと「今回はとびっきりいい問題を用意してるからな」と自慢げに話していた。
成宮先生がそんなことを話すということは、それなりに難しい問題を出すってこと。
赤点なんか取ったものなら、また成宮先生の雑用係再任命だ。
それは、困る……
それから慌てて板書をしたが、私の頭じゃ当然わかることもなく、ひとり撃沈していた。