小悪魔なキミに恋しちゃいました。
ここはこうで、こうなって……と解説する結城くんは、さすが満点を取っている天才だと納得する。
しかし、私の頭はそんな解説はスルスルと通り抜け、さっきの"可愛いよ"と言った謎のワードが頭の中を駆け巡る。
尚且つ、私の隣に座る結城くんはとても近くて、長く綺麗なまつ毛とか、綺麗な肌とか、何もかもが王子様と言われるほど相応しくかっこよくて、ドキドキが止まらない。
なんで……なんでこんなにドキドキが止まらないの。
大っ嫌い、大嫌いなはずなのにっ。
「……ってなるんだけど。ねぇ、聞いてる?」
「へっ、き、聞いてるよ。答えはこれでしょ?」
「うん。じゃあこれ解いてみて」
結城くんに言われたのは、今解説してくれたものと似ている問題。
でも、聞いていたと嘘をついた私には、さっぱりわからない。
あぁ、どうしよう。
今更、本当は聞いてませんでしたなんて言えないよ。
チラッと結城くんの方を見ると、呆れ顔。
「正直に言いなよ。どうせ違うこと考えて聞いてなかったんでしょ」
「ご、ごめんなさい……」
結城くんにはお見通し。
嘘をつこうとした私が間違いでした。