小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「キミさ、そんなに僕からのお仕置きが欲しいわけ?」



「え?」



突然頭を抱え始める結城くん。



おまけに大きなため息付き。



「涙を浮かべながら僕にお願いしてきたり、上目遣いで謝ってきたり、僕のことをずっと見つめてきたり……」



「……なに?」



ブツブツと何か呟いていたみたいだけど、下を向く結城くんの声は、はっきりと私まで届かない。



「だから、僕のこと誘ってるの?」



「……ん?」



誘ってるって、何を?



私は、結城くんの言っていることが全くわからない。



「だーかーら、もう……いいよ」



「え?」



ちゃんと言ってくれなきゃわからない。



顔を上げた結城くんは、とても困った顔をしていた。



「今日はもうおしまい。明日答え合わせして上げるからこのページやって来てね。じゃあ」



「え、待ってよ、結城くん!」



結城くんは、私に宿題だけを残して先に帰ってしまった。



なんなのよ、一体。



コロコロ変わる結城くんは、何を考えているのかわからない。



教えてくれる先生代わりの結城くんも帰ってしまい何も出来ない私は、仕方なく帰る身支度をして帰路についた。



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