小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「言っておくけど、キミに拒否権はないからね」



何に怯えているのか、須藤さんが僕の彼女になったことは誰にも言わないで欲しいと頼んできた。



僕もその素の自分をバラしてしまわないように口止めをしている。



それなのに僕は良くて須藤さんはダメなんてフェアじゃない。



「ふーん、交換条件ね。いいよ、黙っててあげる。その代わり、毎日放課後はここに来ること」



許可する代わりに、もう一つだけ約束を追加した。



これじゃ結局、僕の方がずるいかもしれないけど、またキミと話がしてみたい……そう思った僕は、無理矢理約束を取り付けるしかなかった。



そうでもしないと、キミはまた来てくれることはないと思ったから。



「じゃあ、また明日」



「……わっ!?」



どうしてか……



自分の気持ちなんて全然わからなくて。



「……待ってるから」



無意識に髪なんか撫でちゃって、ポロリと出てしまった心の声。



「……っ」



びっくりしている須藤さんが、まるで怯える子犬のようで。



「キミ、バカだけど、かわいいと思うよ。じゃあね」



思わず僕は、須藤さんの前髪上げて、おでこにキスしてしまっていた。


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