小悪魔なキミに恋しちゃいました。
次の日の朝。
今日も須藤さんは来てくれるのだろうか。
頭の中はそれだけだった。
こんな僕は僕じゃない。
「よぉ、玲央」
「あぁ大和か。おはよ」
「なんだよ、素っ気ねぇな。なんかあった?」
そんなに素っ気ない挨拶だっただろうか。
「ううん、別に」
「変な玲央」
確かに変だよな……
なんて妙に納得しながら教室まで向かう。
「おーファンクラブの皆さんのお出ましみたいだぞ」
徐々に大きくなる女の子の甲高い歓声。
「みんなおはよう」
ニコニコとそう挨拶を返していくと、隣でクスクス笑い始める大和。
この性格を始めてから2ヶ月が経つが、僕の素の姿を知っている大和には、面白くて仕方がないらしい。
僕だって好きでやってるわけじゃないのに。
何でもない一日はあっという間に過ぎ、時は放課後。
今日もいつもの如く、大和にまた明日という合図だけを送って、早々に教室を出る。
一歩遅れては、あっという間に囲まれてしまう。