小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「これが頑張ってないって言うの?それに、僕が教えたんだから、もっと自信もってくれないと困るんだけど」
そこまで言うと、須藤さんはふふっと微笑んだ。
その笑顔に驚かされるのは僕の番。
次は僕が口を大きく開ける番だった。
「ありがとう、結城くん」
「べ、別に……帰るよ、須藤さん」
それは、いつしか僕が嫉妬していた大和に向けた笑顔と同じで、赤く染まりそうになる頬を隠すように背を向ける。
「ほら、早くしてくれる?」
「ごめんなさいっ」
教科書類を片付けた須藤さんが、小走りで僕のところにやってくる。
それを確認した僕は、原因不明のこの胸の鼓動がバレないよう、須藤さんの先を歩いた。