木村先生と和也君
部活が終わって帰り道,俺は正行を追いかけた。

「正行!」

「和也,今日も疲れたね」

中学が同じだった俺らは家も同じ地区で,高校から帰る方向も同じだ。

二人きりになるのは容易かった。

「正行,お前,彼女とエロいことやってんの?」

正行からの世間話は一切無視して,俺の聞きたいことを聞いた。

正行が明らかに驚いている。

「びっくりした・・・他の奴らならともかく,和也がそんなこと聞いてくるなんて・・・」

「俺は真面目に聞いてんだよ」

他の奴らと一緒にしないでもらいたい。あいつらはエロい話が聞きたいだけだ。

「どうした?和也もそういうことに興味が出てきた?」

正行が意地悪そうに笑って俺の肩に腕を乗せる。

正行の顔が近い。

こいつ,ほんとキレイな顔してるな。女にモテるのわかる。

そう言えば,前に一度女から「正行君と付き合ってるの?」なんて聞かれたことあるな。

多分あの女は正行を狙っていて,そんな冗談で探りをいれてきたんだろうと思う。

まさか本当に男同士で付き合ってるなんて思ってないだろう。

残念ながら正行と付き合ってるのは俺じゃなくて,女子校の先輩だ。

「そんなんじゃねーよ。ちょっと気になっただけだ」

「あ,木村先生絡み?そう言えば,和也の家に来たんだっけ?どうだった?」

やっぱりこいつは鋭い。

「おぉ,俺の部屋で一緒に勉強してたんだけど,親がちょくちょく見に来るんで,何にもできなかったよ」

本当は,ハグしてキスしたけど,恥ずかしくてそこは黙っておいた。

「はは,親に見られたら最悪だもんね。」

「親には,子供ができるようなことはするなって言われたし,木村先生も俺が未成年だから,節度のあるお付き合いをするって言っててさ。何?節度あるお付き合いって。みんなやってんの?」

「それで俺に聞いてきたわけか。付き合い方なんてみんなそれぞれだろ。まぁ俺に関してはできるだけちゃんと避妊してるよ。」

ヒニン!!

なんだその聞きなれない言葉!!!

やっぱりやることやってんだ・・・こいつ。

「そういうことって,ど,どこでやってんの?」

まさか外とか,ホテルとか?そう言えばカラオケに行くとか言ってたな。そこで?

こんな話友達としたことなかったし,俺は正直興味深々だった。
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