いつも。


会うべきじゃないのは私の心が揺れているから。


弟に、認めてもらえないことなんて前からだ。


本当は、私は聖矢の姉ですって胸を張って言えるようになりたい。


けど、私は最低なことをしたから。


聖矢には謝っても謝っても足りないぐらい。



そう。


ずっと前のこと。


思い出したくもない最悪の日。



「堀川さん?どうかしましたか?」



「ぁッいえ!なにもないです!」



少しボーッとしてしまった。


先生の心配する顔が私の胸を絞める。


キリキリと痛む胸。


きっと、先生と弟を重ねているんだ。


「あの、最後にひとつだけ聞いてもいいですか?」

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