いつも。
「どうぞ?」
「聖矢は…今泉君は元気ですか?怪我とかしてないですか?」
自分でもわからない。
何故、弟の名前を呼び直してしまったのだろう。
また自分の中で、聖矢との間に深い溝を作ってしまった。
「私が最後にあったのは先週ですが、先週も聖矢君は元気でしたよ。ただ、暴走族の幹部なので怪我の方はしているかもしれないのですがね。」
「そうですか。ありがとうございます。」
先生に一礼をして教室を出る。
クラスメイトが出ていった時は、まだ明るかったのに、外はもう暗い。
「春になったのに、まだまだ夜は長いな。」
入学して1日目。
早くも面倒なことになりました。