いつも。
そして、両親が寝静まった頃合いを見て、キャリーバッグを持ち、ゆっくり、静かに玄関へと向かった。
玄関の扉を開け、キャリーバッグを外に出すと、裏庭からリュックを背負って持ってくる。
そして、玄関の鍵をかけ、後ろを振り返らずに繁華街の方へと歩いた。
1時間も歩くと、重い荷物を持っていたせいもあり、すっかり疲れてしまった。
公園に入りベンチに座り、今日はここで野宿かな…と考えていると、女の人が話しかけてきた。
「あれあれ?もしかして家出少女だったりする?もしそうならうちに来ない??」
綺麗な女の人が立っていた。
その人が、今のお義母さん。
私が家出をした理由も聞かずに、お義父さんと2人で私を家に置いてくれる。
こんな地味でいいところなんてまるでない女に、部屋をくれる。
そんなに優しくされたのは初めてだった。