無駄な紅葉は散り濡れる.
悲しみに


あたしには
1人の想い人がいた。

そのままなら、
婚約者になるはずだった
将来有望な貴族の藤原 征人(ふじわらの ゆきひと)。

あたしたちは
姉弟のように育ち、
いつしか、男女の仲になっていた。


征人の元服の時、
本来なら結婚するはずだった。

しかし、
その時、お父様は倒れたのだった。

ちょうど、征人が元服を迎える年のことだった。
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