全ての記憶を《写真》に込めて

「あっ、晴くん!写真撮らせてください!」

見つけたから走って晴くんの元まで行く。
「嫌って言ってるじゃん」
「友達と写っててもいいんですよ!」
そう言うと、晴くんの隣にいたチャラそうな男の人が食いついた。
「まじで?俺も入っていい感じ?」
「もちろんです!」
「ほら〜、和久井くん写真撮ってもらったら?そうしないと彩月ストーカーになるかもよ」
茉莉ちゃんも説得に入ってくれる。




「はぁ…、一回だけだからねぇ」





「やったぁ、じゃあ、みんな並んで」
廊下にある窓の前に立ってもらう。晴くんの隣にはその友達。反対側には茉莉ちゃん。
「はいチーズ」


_______________パシャ。



「わぁ……、初めてちゃんとした晴くんの写真撮れました」
「これでいいでしょ、ほら翔いくよ」
「あっ、待ってよー」

一回だけじゃ済まさないけどね。
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