全ての記憶を《写真》に込めて


「ま、茉莉ちゃん……?」
「彩月、戻ろう」
「どうしたの?」


______________和久井くんに、見つかった。


晴くんと先生が部屋に入ってしまったので、茉莉ちゃんが先に覗きに行くと言って晴くんのあとを追った。私と翔くんは待っていたけど。
帰ってきた茉莉ちゃんが見つかったという。


「しかも、仕事の話だったみたいなの」
「え、仕事って…」
「まさか、晴 またモデルやるのか?」
「事務所の方が連絡来ているからなんとかっ
て………」
最後まで聞いてないからわからないけど…、と。

「ねぇ、何こそこそついてきてたのかなぁ」


後ろから、いつもより低い声が聞こえる。
きっと晴くんだ。しかも、絶対怒っている。

「ご、ごめんね、晴くん」
「ごめん、和久井くん」


「晴、お前またモデルやんのか?」

「翔くん…っ!」





「あんた達には関係ないでしょ、ほっといてくれるかなぁ」





関係ない………。
その言葉が重くのしかかる。

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