全ての記憶を《写真》に込めて

「晴くんは、晴くんは人形じゃないよ」



そして、思い切り……


「っはぁ、な、なにしてんの!?」
晴くんを抱きしめる。
小さい子をあやす様に背中を軽く叩く。

「辛かったら無理しちゃダメだよ」




「バカじゃないの」
_______________ドサッ。

「え、」
「オレは別にこういうことも出来るんだよ」
「は、晴くん………?」
なんで上にいるの。
そして、指で口をなぞられる。
「こういう事が普通の世界に戻るんだよ、ねぇ」
虚ろな瞳で話しかけてくる。
「っ、晴くん何して……」
初めて、私は初めて、晴くんを怖いと感じだ。
「…っ、ごめん」
はっと我に返ったかのようにそう言って退く。
晴くんが晴くんじゃない気がして、怖かった。

でも、晴くんが助けを求めてる気がして。
このままほっておいてはいけない気がして。


「晴くん、私は大丈夫だよ 晴くんはモデルやりたいの?」
諭すように、ゆっくり問いかけてみる。
「………出来ればやりたくないけどさぁ、事務所の元マネのやつが見張ってるみたいなんだよね」
「え、」
晴くんと先生が話していたのは、元マネからの電話のことらしい。
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