全ての記憶を《写真》に込めて

「あ、もうこんな時間だよ そろそろ帰るね」
「あ、ホントだ 結構時間経っちゃったねぇ」
いいよ、送ってく、と立ち上がる晴くん。
「もう遅いし、大丈夫だよ」
「もう遅いから送ってくんでしょ」
そういうものなのかな?と不思議に思いながらも、ありがたく送ってもらうことにした。

でも…………。



_______________ザアァアア。


夏の終わり際。
雨だって誰が予想できただろうか。

「えっと……、晴くん、どうしよう」
雨なんて予想聞いてないから傘は持っていない。
「どうしようって言われてもねぇ……」
大きなため息が一つ。


「あんた、一人暮らしだったよね?」

「え、うん」


「……今日は泊まっていけば?」





「え、いいの?」
晴くんから出るとは思っていなかった言葉。
「別にこんな時間まで呼び止めてたの俺だしねぇ」
「は、晴くんは迷惑じゃない?」
「迷惑だったら泊めないからね、俺」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えさせていただきます…?」
< 132 / 255 >

この作品をシェア

pagetop