全ての記憶を《写真》に込めて

出来た。
頑張った気がする。
「えっと……晴くん卵アレルギーとかあったかな…」
オムライス、くらいしか作れなかったけど。
男の子にしては晴くんあまり食べない方だった気がするし。
いいかな?

静かに階段を上がって晴くんの部屋にたどり着く。
そして扉を開くと立ったまま何かを考え込む晴くん。

ど、どうしたんだろう………。




「寝るわけないでしょっ!」


急に声を上げた。
「な、なにが……?」
声をかけると驚かれた。
ご飯ができたと伝えるとすぐに下へ向かう。

そこで気づいた。
晴くんが困っているのは……。

「え、寝る場所がない………」
「んー、なぁに、なんか言った?」
「う、ううん!何でもないよ」
しかも、さっきの会話。
ご飯の準備とか、なんか夫婦みたいに感じる。



「うぁ………、恥ずかしい」
小声でつぶやく。
また緊張で晴くんと話せなくなってしまいそうだ。




そして、食卓についた。
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