全ての記憶を《写真》に込めて
名前呼んであげたんだから俺のいうこと聞いてよね、とよくわからない理由で私はベッドに行かされることになった。

「は、晴くんは………?」
「俺は床で寝るけど」
「寝れるの?」
「俺どこだって居心地いいなんて感じないしさ」
どこでも一緒なんじゃない?と、準備をしながら答える晴くん。
なんだか、晴くんに色々やってもらってばかりだ。
服も借りてるし。
寝場所も提供してもらった。
服に関しては、前回学校でぶかぶかのだったから今回は少し小さめのを借りた。
だけど、まだぶかぶかだ。

「晴くん、ありがとう」
「何改まって言ってんのぉ」
「明日の朝、ちゃんと起こすね!」
「いや、多分機嫌悪いと思うから触れない方がいいと思うけど」
そっか、朝に弱いのか。
だから、無理に起こすと期限損ねちゃうのかな。
「ううん、大丈夫!私のお兄ちゃんも昔朝に弱かったらしいの それでお母さんが必殺技使った起こしてたのを覚えてるから!」
「なんか怖いからやめて」
え、断られちゃった。

「よし、じゃあ、早く寝る」

そう言って、ベッドに座らされる。
「なるべく毛布系は新しいタオルケットとか使ったからさ、気にせず使ってよ」
「あ、ありがとう…でも、晴くんは床で寒くないの?」
「ある程度ならいいでしょ」

うーん、なんか申し訳ないなぁ。
そういった頭を回転させるがいい案は何も浮かばない。

「早く寝ないと明日起きれないよぉ」
「で、でも………」

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