全ての記憶を《写真》に込めて

家族の帰還

朝、鳥の囀る声で目が覚めた。

「…んぁ…………、ふ………っ!え、あ、え………っ!」
驚いた声を上げそうになったが、声を抑える。
なぜなら、晴くんが気持ちよさそうに寝ているから。
しかも、微妙に顔が近い。
手が、腰あたりに……っ!

「は、晴くん!起きて!」
揺さぶって見るけど全く反応がない。
晴くんは朝に弱いからか。

晴くんは私を抱き枕とでも思っているのだろうか。
まぁ、最近運動不足で太ってきたかもしれないけど…。

「晴くん!晴くん!朝だよ!!」

何度呼びかけても、起きない。

こうなったら…………。

お母さんが、お兄ちゃんにやっていた、フライパンとお玉を使った太鼓もどきをやってみよう!…………と、思ったけどここを動けない以上フライパンなどが用意出来ない。

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