全ての記憶を《写真》に込めて

「もうそろそろ帰りたいんだけどぉ」

「ちょ、ちょっと待ってね!」

片付けが長引いてしまった。
外はもう暗くなってしまっている。
茉莉ちゃんと翔くんは部活での出し物があるらしくそっちへ行ってしまった。



「あんた何でもかんでも引き受けると大変なことになるよぉ」
「頼まれると嬉しくてつい……」
「つい、じゃないでしょ 自分の体も労わってあげなよ」
「うん、程々にするよ!」

そして、茉莉ちゃんが撮ってくれた晴くんの写真を眺める。
やっぱり晴くんの写真は大好きだ。

「あ、そう言えば晴くん」
「何」
「アリスって何やるの?」
コンテストは晴くんと私。
お世話係として晴くんが出てくれるらしい。
明智先生は、晴くんが出ることで二組の優勝は決まってるだとか。
「何って……、衣装着るだけでしょ」
「でもみんなの前出るって…」
「あぁ、それは別に気にしなくていいと思うけどねぇ」
俺の問題だし、とつぶやく晴くん。

初めての文化祭で、初めてのコンテスト。

よし!!

拳を握り、気合を入れる。

「晴くん!頑張ろうね!」

「あったりまえでしょ、元モデルとしての意地を見せてあげないとねぇ」

晴くんがいるなら、何百倍も頼もしいや。

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