全ての記憶を《写真》に込めて

「晴くんのマネージャーさんは怖い人だったの?」
やっぱり、マネージャーさんと話したあとの晴くんは少し違う。
前に聞いたように、いい思い出がないのかもしれないけど。

「怖いっていえば怖いかもねぇ」
「…そっか」
「まぁ、今は別に平気だけど」
「辛かったらいつでも言ってね」
いつも、晴くんが支えてくれているから。
代わりに支えてあげたい。

「生意気」

「な、なんで!?」
「オレが彩月を守ってあげるんだからねぇ」
「わ、私だって晴くん守りたいよ!」
「分かったからさ、ムキになんないでよ」
ほらほら可愛い顔が台無しだよ、なんて言いながら頭を撫でられる。
いや、髪をボサボサにされる。
「うぅ〜、なんか子供扱いされてる気がする…」
さぁね、とはぐらかされた。

せっかく、晴くんの隣にいられるんだ。
今まで、支えてもらった分、私も支えてあげたい。
貰ってばかりじゃ嫌だから。

「よし!晴くん、競走だよ!」
「はぁ?疲れるじゃん」
「忙しくて写真が撮れてないから、みんなで写真撮ってから帰ろう」
「…はいはい、約束だもんね ちゃんと写ってあげるよ」


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