全ての記憶を《写真》に込めて
「彩月、和久井くんと二人で撮らなくていいの?」
「え?」
みんなの写真を撮っていたら急に茉莉ちゃんに声をかけられた。
「えって…、和久井くんはいいの?」
「別に、考えたことないけどぉ」
「晴、男としてそれはダメだ 彩月ちゃんほど可愛い子と写真撮らないなんてお前は女か、女なのか!?」
「わけわかんないこと言わないでよねぇ」
私は、晴くんたちを撮れてたら満足だなぁ。
大事な思い出が沢山詰まった写真。
「もうっ、この恋愛未経験カップルが!記念として撮ってあげるよ!」
「え、えぇっ!?」
半ば強引にカメラを取られ、晴くんの横に並ばされる。
「は、晴くんどうしたらいいの…?」
「どうしたら…って、普通にしておけばいいんじゃないのぉ?」
「そ、そうだよね!うん、普通に……」
きっと、すごく顔が赤いと思う。
隣にいることに意識してしまって。
でも、すごくいい思い出。
「彩月真っ赤じゃん〜、まぁら隣の人もそんな感じだから気にしなくていいよ」
「えっ、」
「ちょっとぉ!変な事言わないでよねぇ!」
「晴もちゃんと彩月ちゃんの事を意識してんだな、俺も彼女作ろっかな」
「翔!うるさい!」
晴くんも意識してくれてるんだ。
……うん。
「晴くん、これからよろしくお願いします!」
「……こちらこそ、よろしくねぇ」