全ての記憶を《写真》に込めて
晴くんの笑顔に一目惚れ
「御国さん、そろそろ帰る時間よ」
保健室の貴美先生に言われて立ち上がる。
私の首にはいつもデジカメがかかってる。
「今日もありがとうございました」
頭を下げると先生は私の頭を撫でた。
「今日もたくさん写真撮れたかしら?」
「はい!」
「じゃあ、気をつけて帰ってね」
「さようなら」
保健室から出ると、校内は誰もいなくて静まり返っている。
いつもこんな時間だ。なるべく誰にも合わないように。
そして、廊下を歩く。
_______________ガララッ。
「えっ、」
教室から誰か出てきた。男の人、みたいだ。
「まだ人いたの」
「え、えっと…」
「誰」
「ご、ごめんなさい!」
ダッシュで逃げる。人いなくなったと思ったから出てきたのに……。
そして、階段を降りる。
_______________いや、降りようとした。